この記事ではQCの7つ道具ヒストグラムについて、説明します!
パレート図 | 特性要因図 | グラフ | チェックシート | ヒストグラム | 散布図 | 管理図 | |
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主な用途 | 複数の問題から、重要な問題を絞り込む | 問題の因果関係 整理 | データの図示化 | データの層別 手順漏れ防止 | ばらつきの把握 | 1組のデータの 関係性/相関の整理 | 工程の コントロール |
問題点把握 | |||||||
原因分析 | |||||||
効果確認 |
ヒストグラムとは?
得られたデータは数字だけで眺めても、状態が一目で分かりにくいです。
これを可視化して、データがどのような分布を持っているかを表すためのツールがヒストグラムになります。
例えば、生産中の製品の寸法や重量など、管理しなければならない項目があった場合、
1シフトなど一定のデータ収得期間を決め、得られたデータを加工(度数)し、その製品が管理したい範囲に入っているか?どのような傾向を持っているか?などをヒストグラムを用いて、内容確認/管理を実施するといった具合です。
ヒストグラムを作成することで、下記のようなことを把握することができます。
- 生産された製品の品質はどのような状態か?
- 製品の狙い値は中心からどの程度ズレているか?
- 製品のばらつきの大きさはどの程度か?
- 規格(顧客要求)に対して、工程の実力はどの程度満足しているか?
ヒストグラムの作り方
ヒストグラムの作成自体は難しくありません!
下記のようなチェックリストを元にヒストグラムを作成するとこんな感じになります。
棒グラフと違い、棒の間隔に隙間無し+X項目は階級(データ)となっています
ヒストグラムは分布を見るためのモノなので、柱は全てくっつけましょう。
ヒストグラムの読み解き方
ヒストグラムは、その分布から得られる情報が非常に大切です。
何パターンかご紹介します!
- 1. 正規分布
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中央が高く、釣り鐘
をしています。ものづくりにて、このような形状が見られる工程は安定していると判断できるでしょう。 - 2. 双峰型
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この形(山が二つある形)が得られた場合、層別を疑うべきです。2つの異なったデータが混ざっている可能性があります。
- 3. 離れ小島型
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離れたところに小さな山があるケースです。何らかの変化点(異種材料を少量使用など)があった際に確認される形状です。
- 4. 片裾型
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左右のどちらかに裾を引いているケースです。時間的経緯と共に確認すると原因がわかることがあります。例えば、消耗部品の急激な劣化など。
ヒストグラムまとめ
ヒストグラムはデータの分布を可視化することのできる非常に役立つ統計的手法の一つです。
形状を見ることにより、工程がどんな状態にあるのか、安定しているのか、管理できていないのか、など様々な原因を推測することができます。
品質エンジニアとして、絶対に必要なスキルになりますので、しっかりと理解した上、ガンガン実務で活用していってください!