この記事では、製造業と品質の歴史について学びます。第2次大戦後1960年〜現在までの歴史を記載します。
前回記事の続きになります!
1960年代|TQM (Total Quality Management)の誕生
この時代には、品質管理手法が一層高まりました。今でいうTQM(総合的品質管理)の考え方が生まれ、品質管理の先にある品質改善を考えるようになりました。
また、日本は敗戦後に品質の権威であるJuran博士やDeming博士らを招待し、品質に関する競争力を向上させることに努め、検査に注力するより品質改善に注力する方向へとシフトしていきました。
Juran博士やDeming博士は品質管理において統計手法の重要性を説き「ばらつきをコントロールすれば、品質不良のリスクが少なくなる」ことなどを実証し、さまざまな統計手法を世の中に広めていきました。
前回の記事にて米国と日本の製品品質には大きな差があったと記載しましたが、この時代の日本の努力は凄まじく、1969年にある国際会議の場にて、Juran博士が「1970年代後半には日本の製品が米国製品の品質レベルを遥かに凌駕するだろう」とコメントした記録があります。
ものすごい勢いで日本製品の品質が向上/改善していった様子が、想像できますね!
実際に1980年代にはJapan as No1と呼ばれるまで、高品質な日本製品が全世界に普及し、これを「品質革命」と呼ぶ人もいたそうです。
1980年代|Just In Time (ジャスト・イン・タイム)
まさにJapan as No1と呼ばれていた時代です。
この時代の品質改善活動は、製品品質のみならず生産スピードもカイゼンしていきます。
この代表的な手法としてはトヨタ生産方式が有名です。今現在も色々な企業が研究/模倣しています。
ちなみにJIT(ジャスト・イン・タイム)は、リーン生産方式とも呼ばれます。
*リーン(Lean)はムダのない、といった意味です。
1990年代|TQM (Total Quality Management)の普及
この時代には、品質改善手法にQuality by DesignやQuality of planningなど製品企画/開発/計画段階からの品質管理が加わり、すべてのビジネスプロセスにおいての品質の考え方が普及しました。TQMと呼ばれる組織全体の改善手法/経営戦略としての考え方になります。
これは今日に至るまで、さまざまな企業で取り入られている思想/手法になります。
またこの時期にモトローラ社が「シックスシグマ」を考案し、後にGEを始めとした様々な企業がこの品質手法を取り入れています。
*DMAICに従って、COPQなどをターゲットに製品改善を行う手法です。別記事で今度紹介します!
2000年代|これからの品質
さて、歴史を見て改めて気づきましたが、今現在まで活用されている様々なツールは20世紀に開発された英知の塊ということを再認識しました。
これからの品質、製造業は間違いなくビッグデータやAI、ロボットを活用するものになると思うので、感度を高く、様々な情報取り入れていかないといけないですね。
過去の偉人に感謝しながら、自分自身をよりレベルアップさせていければと思います!
これにて歴史編は終了です!ありがとうございました